安心して食べてほしいから、
不純物は徹底して除去する
同社がある佐伯市鶴見は九州最東端に位置する町で、目の前には豊後水道が広がります。その中でもさらに突き出た半島の先端近くに製塩所が位置しています。行き来のしにくいこの地を敢えて選んだのは、海が豊かであるということ以外に、海流の流れが速く海水がいつでも清浄だからだと言います。「おいしい塩にするのはもちろんだけど、食べ物は安全じゃなくちゃ。安全な塩を作って、安心して食べてもらいたい」という想いから、独自の製法で、海水中に含まれる不純物を徹底的に除去。そうすることで、安全なのはもちろん、まるで上質な和三盆のように口溶けの良い、甘味さえ感じるふわふわの塩ができあがります。
産官学で取り組んだ
理想の塩づくりに取り組む
浜田さんは、30年程前に高知県に友人と旅行に行った時に製塩所を訪れたことがきっかけで、「鶴見でも塩がつくれたら」と思ったそうです。思い立ったが吉日、当時はまだ会社勤めをしていましたが、早速田舎にハウスを借りて試行錯誤の塩づくりが始まりました。なかなか理想的な塩ができなくて悩んでいた頃、できあがった塩を大分大学で分析をしてもらったところ、石灰が原因だと判明。そこで、大分大学と佐伯メカトロセンターとの産官学連携で石灰を徹底的に除去する製塩プラントの開発に着手。2000年にプラントが完成し、これで、石灰を徹底的に除去し、理想の塩づくりを実現することができるようになりました。
製塩に関する装置は
すべてオリジナル
「つるみの磯塩」を生産するのに使用している製塩機器は、基本的に浜田さんが独自に考案したもの。試行錯誤の結果、浜田さんにとっての理想の塩が見えてきましたが、それを実現できる装置がなかったそう。「自分がやりたいと思ったことをできる装置がなかったから、じゃあ作ってしまおうと、知り合いの鉄工所に相談して作ってもらった」とのこと。製塩を始める前から機械が好きで、ちょくちょく何かしらの機械を発明したりはしていたそうですが、ゼロから図面を書いて製塩装置を作り上げるのは非常に難易度が高かったそう。それにも関わらず、諦めずに想いを実現させるパワーとアイデアは計り知れないものがあります。
代表取締役
浜田 加寿彦
口に入れるものだから、まずは安全でないといけないと思っています。不純物を徹底的に除去することで、口溶けが良くなって味もおいしくなるし、なにより安心して食べてもらえる塩になります。1つ1つ丁寧に作っているので、食べてくれたら嬉しいです。
有限会社サンワールドつるみの商品
tabishio select やさいのしお
データやテイスティングに基づいて塩を科学的に分析し、その最適な活用方法を研究しているソルトコーディネーターの青山志穂さん。塩をマスターした青山さんが、緑黄色野菜や淡色野菜に最適な塩をセレクトしました。