島のものだけを使ってすべて手作業で
原料は、製塩所のある下蒲刈島周辺の海水と島で採れた姫ひじきのみ。薪で温めた鉄製の釜で約20日かけてじっくりと煮詰めてやっと塩ができあがります。遠心分離器でにがりと塩に分け、しっかり煎って塩を乾燥させていきます。薪を用意する段階から最後の袋詰めまで、すべてが手作業。水分が蒸発して結晶ができ始める頃は目が離せず、釜につきっきりになります。そして煎る時も絶えずかき混ぜるため、また釜につきっきりに。大変な作業ですが、手間暇をかけることでおいしい塩ができあがります。
町おこしのために官民連携して
地域の名産品を使ったお土産を開発
古墳時代の製塩土器が発掘されるほど、かつては製塩が盛んに行われていたエリアでした。2000年に本土と下蒲刈島をつなぐ安芸灘大橋が開通したことに伴い、町の新たな特産品を開発することに。その時に官民連携で知恵を出し合って商品化したのがこの「姫ひじきの塩」です。姫ひじきとはひじきの新芽のことで、美しい海水に恵まれたこの島の名産品でもあります。当初は別の生産者によって製造されていましたが、2008年にその取り組みを受け継ぎ、自然の恵みに感謝しながら、創業当時の製造方法にこだわって作っています。地元の食品製造メーカーにも愛用され、じゃこ天や味付け海苔にも使用されるなど、地域の特産品として幅広く愛されています。
たっぷり姫ひじきを使用した贅沢な藻塩
全国各地でご当地の海藻を使った藻塩づくりが行われていますが、食用としても重宝されている姫ひじきを使用して藻塩を作っているのは、この下蒲刈島だけ。海水温の上昇等により年々収穫量の減る国産の姫ひじきをふんだんに使用できるのは産地ならではです。また、製法によってカルシウムが多く残るようにしているので、藻塩内で比較した場合のカルシウム含有量はトップクラス。それにより、まろやかで甘味とうまみのある優しい味わいの藻塩に仕上がっています。
代表取締役
脇 由貴美
商品化に至った当時の製造方法を続けて、シンプルながら、いつまでも使い続けてもらえる塩を作り続けます。今後はもっとこの姫ひじきの塩を知っていただき、出来れば自然豊かなこの島へも足を運んでいただきたいと思います。
株式会社海駅の商品
tabishio select にほんのでんとう
科学的根拠やテイスティングなどの官能検査に基づき、塩のデータベース化やその最適な使い方を研究しているソルトコーディネーター・青山志穂さん。塩のプロである青山さんが選ぶ、日本各地の藻塩4種のセットです。