【佐賀県江北町】
有限会社葦農
独自の農法と農業を通じた活動の功績により、日本人初のスローフード大賞を受賞した武富勝彦さんが代表を務める有限会社葦農。
農業と真摯に向き合い、食を通して本当の豊かさを追求し続けています。
独自の方法により、地元の環境保全と
有機無農薬農業を両立しています
佐賀県江北町にある有限会社葦農(よしのう)は、生物・造園の教職から農業の道に進んだ武富勝彦さんが、食を通じた本当の豊かさを追求し続けている会社です。独自の有機無農薬農業にて栽培した穀類や、マクロビオティックに関する研究活動をもとにして開発した国産塩などを開発しています。畜糞を一切使わず、刈り取った地元の葦に米糠と水を混ぜて発酵させたものを堆肥化することで、有明海の生態系を守りながら行う有機無農薬農業は武富さん独自の農法。もちろん農薬や除草剤、化学肥料も不使用です。この方法は世界的にも評価されていて、食のノーベル賞ともいわれるスローフード大賞を、日本人で初めて受賞しました。
有機無農薬農業による古代米の栽培を行い、
古代米の普及に貢献しました
古代米とは、古代から栽培されていた野生種の特徴を受け継いでいる米を指して言う俗称であり、赤米・黒米・緑米というようにそれぞれ色素を持つのが特徴です。このような色素は健康によいとされ、ほかにもビタミンやミネラルなどを豊富に含んでいます。近年の健康志向やスローフードの流行に伴いその存在も認知されてきましたが、武富さんはこのような風潮に先駆けて古代米に注目し、その栽培方法を研究。そして葦を堆肥に用いた有機無農薬農業による古代米の栽培に成功し、黒米・赤米。緑米をブレンドした雑穀米を製造して販売を始め、古代米の普及に貢献してきました。
元教師の経歴を生かし、農作業を通じて
子どもたちの更生にも尽くしています
有限会社葦農が農業を通じて行っている活動は、環境保全だけではありません。23年間、佐賀県の県立高校で生物や造園の教師をしていた経験を活かし、不登校や引きこもりなどの問題を抱えた子どもたちを受け入れ、農業を通じて自立させてきました。子どもたちと寝食を共にしながら、堆肥作りや土作りからといった本格的な農作業を行いつつ更生を促し、再び社会に送り出しています。さらに、農学部の学生を対象にした農業実習も行っており、若者への農業の普及・支援などの取り組みを積極的に実施。どこまでも真摯に農業と向き合い、命を支える大切な産業であると説き続けることで、日本の未来を支える若者を育てているのです。
有限会社葦農 代表
武富勝彦
「食」は命の源であり、その「食」を支える農業は、なくてはならない大切な産業。有限会社葦農の食品や農作業の体験などを通じて、世間にもっと農業への関心を持っていただけると嬉しいです。