【静岡県浜松市】
カネタ太田園
茶の栽培面積や生産量などが日本一の静岡県。
その県西部に位置する浜松市を流れる天竜川の支流・阿多古川上流に沿った山間部で代々茶をつくり続けている茶農家です。
昔ながらの天竜茶の味わいを広めるために茶づくりにこだわるほか、さまざまな取り組みを進めています。
茶づくりに適した気候を最大限に生かせるよう
土づくりや肥料づくりにこだわっています
静岡県は茶の栽培面積や生産量などが全国1位を誇る、まさに日本一の茶どころです。県内にはいくつもの茶の産地がありますが、浜松市北部に流れる、天竜川の支流・阿多古川上流に沿った山間部も、その一つ。この地域の気候は昼夜の寒暖差が大きく、“川霧が育むお茶”として茶栽培に適していることで古くから知られます。この地で代々「天竜茶」づくりに取り組むカネタ太田園では、「良い茶園は土づくりから」をモットーに、山間地の傾斜や特性を生かしつつ有機肥料を主とする肥料づくりや、敷草で土づくりに力を入れています。
昔ながらの天竜茶の味わいを残すため
親子や地域が一丸となって取り組んでいます
「天竜茶」をもっと多くの人に知ってもらいたいという想いから、地域の協力の下、全国茶品評会や静岡県茶品評会に出品を続けてきました。その成果もあって「天竜茶」の魅力は徐々に浸透し、2008年に開かれた北海道洞爺湖サミットでは、代表取締役の太田昌孝さんがつくった茶が参加国の首脳に振る舞われたほどです。さらに2019年には全国茶品評会で代表取締役の太田昌孝さんが、静岡県茶品評会では娘婿で後継者でもある勝則さんが、親子揃って農林水産大臣賞を受賞。「昔ながらの天竜茶の味わいを残したい」と、親子だけではなく親族や地域みんなで一丸となって進めている取り組みが、実を結んでいるのです。
「お茶のためにできることは何か」
ささいなことまで目配りし、気付きを実行しています
カネタ太田園では茶のためにできることを、日々ささいなことにまで目配りして考えています。茶の生産から製造、販売までを一貫して行っているからこそ、気付いたことが細かいことであっても、すぐに実行に移せるのです。最近では、阿多古川上流の地域で増えている放棄茶園を借り受けて、その茶園の土地に合った茶の品種を選び、栽培することを進めています。それぞれの茶葉の特性を生かせるよう、蒸し方、揉み方、火入れや仕上げを変えているのです。新芽を摘んだ時の香りを大切にしているのもカネタ太田園らしさです。
カネタ太田園 代表取締役
太田昌孝
自然の恵みを生かすためには何が必要で何が必要でないのかを見極められるよう、日々注意してお茶づくりに取り組んでいます。お茶(茶園)は手をかければかけるほど正直に答えを返してくれる、ということを心構えにしています。