てつ工房

【長崎県長崎市】

てつ工房

長崎・油木町にて、「てつ工房」の屋号で作陶に励む陶芸家・小島鉄平さんは、
昔ながらの技法と独自に研究した原料を用いた、普段使いのうつわを数多く手がけています。
自らの目で見てきた動物たちの“生きる姿”を描く生き物シリーズをはじめに、
他ではなかなか見られない個性的な佇まいが魅力です。

躍動する生き物の姿を描いた、
大胆かつ繊細な絵付けのうつわを手がけています

躍動する生き物の姿を描いた、
大胆かつ繊細な絵付けのうつわを手がけています

長崎県長崎市にある製陶所「てつ工房」。この工房の主である小島鉄平さんは、少し変わった経歴を持つ陶芸家です。卒業後は会社員として就職したものの、自分の時間がなかなか取れない生活を送っていた小島さん。「そんな時にふと思い出すのは、学生時代に出会った陶芸家と学校の校庭に遊びに来ていた鹿でした」。そんな原体験が、小島さんを動かします。少しでもやりたいことをやろうと思い、仕事の合間に陶芸教室へ通い出しました。そしてそのままのめり込んでしまい、作り続けるうちに作品が評価され、陶芸家の道を歩むことに。そんな小島さんが作るうつわに主に描かれているのは、躍動する生き物たち。「窮屈な社会にいたとき、僕が見た動物たちは自由でした。そういう動物たちを描きたいと思って」理想や想像ではなく、自らの目で見てきた生き物たちのリアルな姿が描かれているからこそ、見る人に迫るうつわとなるのです。

先人たちが築き上げてきたものを尊重し、
「墨弾き」や「スリップウェア」を用いています

先人たちが築き上げてきたものを尊重し、
「墨弾き」や「スリップウェア」を用いています

「生活には、昔からの歴史の積み重ねがあるはず。先人たちが作ってきたものの、よい部分を受け継いでいきたい」と語る小島さんがよく使うのが、「墨弾き」や「スリップウェア」という技法。江戸時代から使われてきたという「墨弾き」は、墨汁で絵付けした上から顔料を吹き付けて素焼きをし、墨汁を顔料と共に飛ばせて白抜きの文様を出す技です。多くは主文様を引き立てるために用いますが、この技法で表現できるシャープな線を好み、小島さんはこれを主役にして絵付けをしています。そして「スリップウェア」とは、古くから世界各地で見られた技法です。粘土と水を混ぜた液状の化粧土を作り、うつわに垂らしたり引っかいたりしながら文様を描くというもの。古典的な仕上がりが特徴で、近年そのよさが見直されています。暮らしに寄り添いつつも、独特の感性と歴史ある技法が織りなす唯一無二の佇まいが、小島さんの作品の魅力です。

独自の配合を施した原料にこだわった、
育てる楽しみのあるうつわです

独自の配合を施した原料にこだわった、
育てる楽しみのあるうつわです

「墨弾き」の釉薬に用いる原料においても、小島さんならではの様々な工夫が見られます。岐阜・飛騨高山から取り寄せたそば殻の灰と長崎で掘り出した石を使った手製の灰釉を、「墨弾き」の釉薬として使用。うつわには貫入(かんにゅう)と呼ばれる、釉薬と素地との収縮の差から生まれる釉薬のひび模様が見られるのですが、この貫入の入れ方にもこだわりが。小島さんの製作では釉薬の収縮が大きくなるように調合しており、汚れを染み込みにくくするそうです。また化粧土や顔料も、探求の末に編み出したオリジナルの配合のもの。自力で積み上げてきたあらゆるものを落とし込んだ「墨弾き」のうつわは、使い込むほどに味わい深く育っていきます。

小島鉄平

てつ工房

小島鉄平

自分なりに1つ1つ課題をクリアしつつ作品を完成させてきました。独自の工夫がなされた、自分ならではのうつわだと自負しております。ぜひお手元に置いて、たくさん使ってあげてください。

てつ工房の商品

5寸墨弾きリム皿(白) - にほんものストア

5寸墨弾きリム皿(白)

「てつ工房」の屋号で作陶する小島鉄平さんは、長崎市在住の陶芸家です。生き物の“生きる姿”を独特のタッチで躍動感たっぷりに描いた、見る人に迫るうつわが魅力的。そんな小島さん製作の縁ありの皿がこちらです。

¥3,630(税込)
5寸墨弾きリム皿(茶) - にほんものストア

5寸墨弾きリム皿(茶)

江戸時代から使われてきた「墨弾き」という技法を用いたシャープな線で、生き物の姿を生き生きとした筆致で描き出す長崎市の陶芸家・小島鉄平さん。気鋭の陶芸家が、素地の土味を生かして作った縁ありの皿です。

¥3,630(税込)
5寸墨弾き皿 - にほんものストア

5寸墨弾き皿

古くから用いられてきた「墨弾き」という技法を駆使し、手製の釉薬など原料からこだわる長崎市の陶芸家・小島鉄平さん。「てつ工房」の屋号で作陶に励む小島さんが作る、使いやすいサイズ感の縁なしタイプの皿です。

¥3,630(税込)
8寸墨弾き皿 - にほんものストア

8寸墨弾き皿

会社員時代、ほぼ独学で始めた陶芸にのめり込み、動物の“生きる姿”を躍動感たっぷりに描き切る独特の絵付けにたどり着いた長崎市の陶芸家・小島鉄平さん。「墨弾き」という技法を用いた、8寸サイズの大皿です。

¥9,680(税込)