【鹿児島県いちき串木野市】
吉村醸造
昭和2年創業。甘い醤油が好まれる九州でも特に甘いと言われる鹿児島の地で、味噌・ソースなども造っています。
蔵の近くには江戸時代に建てられた米蔵を改装した直売所があり、今では珍しい量り売りで醤油を店頭販売しています。
自分たちが誇れるサクラカネヨというブランドづくりを
「普通の醤油屋では、いたくないんです」と、話すのは4代目の吉村康一郎さん。地元スーパーの勤務と調味料の営業を経て25歳で家業に戻ってきました。7,000軒ほどの顧客を抱えていた時代から、売り上げが減り続けても、しょうがないよねという雰囲気が蔓延していましたそうです。自分たちが誇れる自分たちのブランドをつくらなくてはいけないと決心し、営業体制から商品づくり、ラベルに至るまでの改善をはじめました。その姿勢は今でも貫かれ、常に新しいことに挑戦をし続けるスタイルがすっかり定着しています。
醤油屋とは思えないような店内で醤油の量り売りも
鹿児島市内から車で40分ほど。市来ICをおりてしばらく走ると、おしゃれな黒い建物が見えてきます。地元ではサクラカネヨの名称で親しまれている吉村醸造の工場で、道を挟んで反対側には江戸時代からの米蔵を改装した直売所があります。白くて大きな暖簾が印象的で、店内には30種類以上の醤油がスタイリッシュにディスプレイされています。醤油屋とは思えないような店内では醤油の販売はもちろん、量り売りや醤油ソフトクリーム、しんこ団子も販売しています。椅子やライトも空間全体と調和が取れていて、しばらくこの空間に浸っていたいと感じる方もきっと多いはず。
常に時代にあった「味わい」をつくり続ける姿勢
吉村醸造ではソースもつくっています。他にもアクセントを効かせた商品づくりにも積極的で、醤油をベースに黒酢と黒砂糖を加えた「とんかつブラック」や、パスタに活用できる「醤油蔵のパスタ醤油」、粉末醤油の「薫る粉醤油」などが人気を博しています。工場内にある「美味しさの研究所」、通称サクラボでは、新商品開発や既存製品の品質管理などを行い、キッチンでは新商品のレシピ開発が行われています。顧客の味覚やニーズに応じて変化を続け、常に時代にあった「味わい」を提供しようとする姿勢が伝わってきます。
吉村醸造
吉村康一郎
"新しい商品にチャレンジするほど実感するのですが、味噌や醤油はどれだけ食べても飽きないですよね。しかも、各家庭で超がつくほどの定番になっている。これって、とてつもなくすごいことだと思うのです。"