【宮崎県宮崎市】
長友味噌醤油醸造元
明治10年創業。九州特有の甘い醤油と麦味噌を手掛ける老舗。塩見さんご夫妻は家業に戻る前はシンガポール在住。
地元に根ざしたものづくりをしながら、海外へも積極的に出向いていて現地では醤油も味噌も大人気。
海外に出て気づいた家業の魅力
長友味噌醤油醸造元は塩見陽子さんのご実家ですが、結婚当初は家業を継ぐ気はなかったそうです。海外で暮らしたいという強い想いからスイス系の銀行に就職しシンガポール在住。そこで裕一郎さんと出会って結婚。そんな矢先に、先代の長友昭彦さんがお亡くなりになります。海外で生活をしたことで、日本の良さを再発見したそうで、「100年を越える伝統をもつ醤油蔵に自分たちがピリオドを打つことは簡単。ただ、後々に後悔をしてしまうかもしれない…それならば、やってから決めよう!」と、そこから若い夫婦の挑戦がはじまりました。
四季の中で発酵熟成させ九州独特の甘みを加える
麹造りから自社で手がける醤油造りは先代が頑なに守り続けたもの。塩見さん夫妻のお母様にあたる長友悠子さんは、「やっぱり自分のところの醤油は風味が違う。どんなに大変でも自分たちで一から手がけていきたい。」と、今も現役で醤油造りを支えています。宮崎県も北の方は比較的しょっぱさのある醤油が好まれ、南はより甘い醤油が好まれる。「ここはちょうど中間の甘さだと思うのですが、地元の方に愛され続ける醤油を造りたい。どこに出しても恥ずかしくない甘い醤油をつくりたい。」と力強く語る塩見さんはすっかり蔵人の風格が漂っていました。
甘い醤油の大きく3種類に分かれます
長友味噌醤油醸造元のある宮崎市青島は漁業が盛んで伊勢海老・カンパチ・ハモなどが有名。漁港もすぐ近くにあります。地元のスーパーマーケットに行くと、醤油コーナーの主役は甘いタイプの醤油がずらりと並び、海上で働く漁師たちが好む甘い醤油が定着したという説も。甘い醤油はいくつかの種類に分かれていて、濃口醤油と淡口醤油、それにより甘みが強くとろみのある「さしみ醤油」が定番。家庭によっては用途によって醤油を使い分ける光景も日常です。味噌も麦味噌が主流で熟成期間は短め、色の濃くないものが好まれますが、味わいは甘さがあります。
長友味噌醤油醸造元
塩見裕一郎
地元のお客様を大事にしながら、様々な枠にとらわれることなく、海を超え、時代を超えて、青島の伝統や日本の食文化を届けていきたいです。