【熊本県熊本市】
橋本醤油
大正8年創業。味噌、醤油の醸造元。玉子ごはんの専用醤油を手掛けた先駆けとしても知られる。
ストレートタイプのあまざけはクセのない味わいを求めて専用ラインを用意するほどのこだわりで人気を博している。
玉子かけご飯の専用醤油の先駆け
今は会長になっている橋本和彦さんがPTAの役員を務めていた時。ふと元気のない子供たちに声をかけると、朝食を食べていないことが判明。味噌醤油の造り手である橋本さんは、その大切さを実感しているからこそ親に訴えるも、なかなか効果が見られなかったそうです。「よし、それなら発想を変えて、子供が朝ごはんを食べたい!と言うようにしよう!」そこで思いついたのが玉子かけごはんというわけです。「二杯目のご飯が食べたくなる」を目指して試行錯誤を繰り返した商品は、すっかり橋本醤油の看板商品になっています。
一滴一滴に、魂を込める。
「あまざけは一晩かけて糖化させるので、朝、出社すると試食用の甘酒が置いてあるんですよ」と橋本泰高さん。目指すのはクセのない飲みやすいあまざけ。スタッフ間で感想を言い合い、改善を積み重ねているそうです。「これ見てください」とあまざけの香り成分を分析結果のグラフを出してきてくれました。「この成分は味噌が持つ香り成分なんです。どうしても同じ設備を使っていると紛れてしまう。だから、別ラインで製造することにしました」と、“あまざけは苦手”という人でも飲みやすい味を突き詰めています。
2014年に工場を新設。熊本市版HACCP認証工場として衛生管理に。
旧工場は住宅街の中にありましたが、2014年に工場を移転したことを機に衛生管理にも徹底的に力をいれています。醤油は高い濃度の塩分を含むので雑菌に汚染されるリスクは低い商品なのですが、どの取引先も納得する衛生管理レベルを追求しています。先述のあまざけのネガティブな香り成分のコントロールができるのも、このような取り組みがあってこそ。長年培ってきた麹造りの基本を大切にしながらも、時代の要請に応えることができる環境づくりにも対応する努力を積み重ねています。
橋本醤油
橋本泰高
お客様へ届く一滴一滴に魂を込める。それが、橋本醤油の醤油づくりだと思っています。そして、スタッフが自主的に発言して行動できるように、会社全体が一つのチームとしてよいものづくりをしていきます。