評判だった黒い塩にさらに磨きをかける
男鹿工房を代表する「黒い塩」は、「炭塩」の中でも先駆け的な存在ですが、その製法を知る職人は限られていて、2代目を継いだ小野さんも最初は教えてもらえませんでした。「黒い塩」の製造は繊細で、焼き上がりにムラがでやすいのですが、試行錯誤を重ねた結果、従来のものよりもさらに艶のある漆黒に輝く「黒い塩」をコンスタントに製造できるようになったそうです。生産量を上回る注文が殺到している人気商品ですが、小野さんは「特別なことをしているわけではない」と言います。この現状に満足せずに常に向上を目指す姿勢こそが、男鹿工房のこだわりと言えるのではないでしょうか。
先代が生み出した「黒い塩」は男鹿の人気の土産品に
男鹿工房の始まりは、専売制度が廃止され塩の輸入も自由化された2002年からしばらく経った2004年のこと。この頃、各地で塩が生産されるようになり、いわゆる「ご当地塩」が徐々に登場し始めていました。趣味の海釣りに来ていた際に男鹿半島の海の美しさに惚れこんだ初代の大井さんが「塩を地域の特産品として作ったら盛り上がるんじゃないか」と考え、製塩所を立ち上げたそうです。その目論見通り、バラエティ豊かな商品群、特に「黒い塩」は男鹿のお土産品として人気を博すようになりました。約15年経ち、高齢化に伴い事業継承者を探していた時に縁があり手を挙げたのが、現在2代目を継いだ小野さんでした。
今に満足せず、諦めず、常に向上を目指す
脱サラをして地元に戻り、製塩事業を継承をした小野さんですが、最初はあまりの過酷さに海に向かって叫ぶ日もあったそうです。「このままでのやり方では身体が持たないし、これ以上の成長が難しい」と考え、サラリーマン時代の経験を活かして業務整理と改善を繰り返す日々を過ごしたそうです。「今まで当たり前だったこと」を変えるのは一筋縄ではいきませんが、日々のたゆまぬ努力とともに、結果が目に見えてついてきたことで周囲も納得し、業務精度が上がり、品質の向上を成し遂げることができたそうです。
代表取締役
小野 学
過疎化していく男鹿を、塩と発酵をキーに活性化できたらと思っていて、自社の塩で塩糀も作り始めました。今後は男鹿半島の塩と他地域とのコラボもやっていきたいと思っています。ぜひ一度食べてみてください。
株式会社男鹿工房の商品
tabishio select からふるそると
様々な塩の最適な使い方を研究しているシニアソルトコーディネーターの青山志穂さんが選んだ、塩にスパイスやハーブ類をブレンドするなどして味や香りをつけ足した「シーズニングソルト」4種類のセットです。