【新潟県村上市】
ミネラル工房
新潟県の最北部にほど近い、山形県との県境にある小さな塩工房。
緑深い山とそこから海に注ぐ川に育まれた美しく豊かな海に恵まれたこの地域で、
父親の跡を継いで塩づくりに励むのが、塩職人・富樫秀一さんだ。
身体に重要な塩を見つめ直して始まった塩作りの道
初代が存命の時から塩作りを手伝っていた富樫さん。ある日、工房を訪れたお客様との会話の中で、塩の大切さを十分に伝えきれなかったという悔しい経験が、富樫さんを本気にさせたといいます。そこから「美味しく、体に良い塩」を目指して研究を重ね、ナトリウム以外のマグネシウムやカリウムなどを含む本物の塩を作り出すため、試行錯誤を繰り返し、今の塩づくりにたどり着きました。先代の意思を継いで早十数年。工房を訪れたお客様に塩の大切さを伝えながら、実直で誠実な塩作りを行っています。
純白にきらめく塩の結晶は、まさにその名の通りダイヤモンドのよう。
富樫さんの製法は少し変わっています。まずは、目の前の豊かな日本海の海水を汲み上げ、薪で焚いた平釜に入れて煮詰めて濃縮します。濃縮海水を1晩寝かせることで不純物を沈殿させてから、綺麗な上澄み液だけを使用して塩作りを行っています。これがキラキラと輝く美しい結晶の秘訣です。そこから、浅く小さな容器に入れて湯煎にかけて低温で熱を加えながらじっくり濃縮・結晶化させています。グツグツと煮詰めたほうが効率が良いのですが、こうすることでこそ富樫さんの理想とするミネラルバランスの塩に仕上がると言います。
人を思いやり、大切にし、感謝する。暖かい気持ちに溢れた塩づくり。
ミネラル工房は見学無料。訪れると、いつも笑顔の富樫さんが「おー、よく来たねー」と迎えてくれます。製塩は基本的に1人で行っているため忙しいはずなのに、誰が行っても、丁寧に説明をしてくれます。しかし決して自分の作った塩を買ってくれと宣伝するのではなく、塩がいかに身体にとって大切なものであるか、だから塩にこだわって欲しいという想いを伝えています。富樫さんから塩を送ってもらうと、いつも手書きの絵はがき等が入っていて、そこにはいつも暖かい言葉や詩が綴られていて、ほっこりした気持ちになります。富樫さんの作る塩も、作る人と同じく、人を思いやる気持ちに溢れた優しい味わいです。
ミネラル工房 塩職人
富樫秀一
私たちの生命維持に「塩」のミネラルは必要不可欠で、母なる地球が結晶化した貴重な存在です。だからこそ「食」の側には一番身近にあって欲しい大切なものです。私にとっては『地球を味わう』そんな感覚です(笑)これからも塩作りを生業に、美味しい笑顔と健康を繋げていきます。
ミネラル工房の商品
tabishio select 日本塩めぐり
ソルトコーディネーター・青山志穂さんは、科学的根拠やテイスティングなどに基づき、塩の特性や活用法を研究しています。全国の製塩所を巡り歩いた青山さんが、日本の北から南まで、国内産の塩4種を厳選しました。