「この塩のよいところを多くの人に知ってもらうためには」と考え抜いてリニューアル
「月の塩」はもともと「浜木綿(はまゆう)塩」という名前でした。ビニール袋に入れて販売していたそうですが、売れ行きはそこそこだったそう。新駅長に就任した畑野さんは、「この塩の良さをもっと多くの人に伝えたい」と常日頃考えていました。残業が深夜に及んだある日、息抜きにとビーチへ歩を進めた畑野さんが見たのは、美しい満月が静かな海面に映り一本の道のように見える「ムーンロード」。あまりの美しさに見惚れるとともに、この塩の価値を表してくれると感じ「月の塩」へと商品名を変更。さらに、お客様が使いやすいようにと、パッケージも大幅にリニューアル。さらに、大粒の希少な結晶だけを集めた「月の塩ダイヤモンド」を開発しました。
かつて製塩で栄えた地に塩づくりを復活
製塩所の位置する下阿蘇ビーチは、環境省が定める『全国快水浴場百選・海の部特選』に九州で唯一選ばれている、九州一の海です。美しい海水に恵まれたこのエリアでは、かつては揚浜式塩田による製塩が盛んでしたが、専売制度に際して一旦その歴史は途絶えました。専売制度の解禁後、ふたたびこの海の恵みを活用した塩を作ろうと、釜炊きによる製塩を再開しました。リニューアルをした現在では、不純物の濾過能力の高い逆浸透膜を使用して海水を濃縮したあと、平釜でじっくりと炊き上げ、最後に塩の元となる海の波の音を聴かせながら塩を数日寝かせて仕上げています。中でも、大粒の結晶は収穫量が少ないため、希少なのです。
下阿蘇の海の恵みを一度に堪能できる複合施設です
「月の塩ダイヤモンド」を生み出している製塩所があるのは、下阿蘇ビーチが目の前に広がる滞在型レジャー施設「浜木綿村」の中です。製塩施設のほかに塩の資料館がありますが、小さいながらも内容が充実しているので、塩づくりや塩の歴史に少し触れてみたいという方にもおすすめです。目の前の海では海水浴が楽しめ、オートキャンプ場などの宿泊施設のほか、テニスコートなどのスポーツ施設、北浦の特産品を備えた『道の駅北浦』や『海のレストラン海鮮館』もあります。ここに来れば、見て食べて遊んで、全身で下阿蘇の海の恵みを堪能することができます。地元スイーツとのコラボも活発で、塩プリンは特に絶品。訪問した際にはぜひ食べてみてください。
道の駅北浦 駅長
花井光一
塩の旨さの秘訣は「海水が綺麗なこと」だと思います。九州ナンバー1に選ばれた「下阿蘇ビーチ」の海水を、沸騰させずに低温で炊き上げて作る私たちの「月の塩」は、辛さ、旨さ、甘さを感じていただける優しい塩です。ぜひお試しください。
道の駅北浦の商品
tabishio select きほんのあじわい
青山志穂さんは、数多ある塩の特性や生かし方を研究しているソルトコーディネーターです。そんな塩のプロが“しょっぱい”の奥にある甘みや旨みなどの複雑な味わいに着目して4種類の海塩を選び、セットにしました。