【沖縄県名護市】
株式会社沖縄ベルク
工業廃水が少なく、独特の豊かな自然に囲まれ、美しい海に恵まれた沖縄県の離島・屋我地島。
健康食品も手がける同社では、「体によい塩」を目指して塩づくりを行っています。
「最も良い塩・体に優しい塩」を目指して
同社の代表の長山一さんは、少年時代に親戚の製塩所でアルバイトをしていたことがありました。その時の記憶から「最も良い塩・体に優しい塩」を作りたいと思ったというのが、塩づくりを始めるきっかけでした。同社は沖縄県産の材料を使用した健康食品事業も手がけており、人間の生命維持に欠かせない塩は、究極の健康食品の一つと言えるのかもしれません。注目したのは、約400年前にこの地で行われていた、鉄釜で海水を炊くという製法。鉄は錆びやすく扱いが難しいため、塩の製造自由化の後はステンレス釜が主流となっていましたが、敢えて昔ながらの鉄製の釜を再現し、塩づくりをスタートしました。
鉄釜仕立ての薄ピンク色の塩の理由は
工場が位置する屋我地島は、沖縄本島の橋で繋がっている離島です。かつて流民によってこの地に塩づくりが伝えられたそうです。この島には独特の生態系があり、生き物の宝庫と呼ばれるほど自然が豊かで、工場地帯が少ないことから排水による汚染も少なく、珊瑚礁のミネラルがたっぷり溶け出した海水を取水することができます。海水を取水した後、大きなプールに貯めて循環させながら数日間濃縮。薪で焚いた鉄製の平釜で丸2日間煮詰めて結晶化させ、さらにすだれの上に置いて、ときどき上下をかき混ぜながら数日かけてにがりを切ります。できあがった塩はふわふわとしており、鉄分を含むため、ほんのり薄ピンク色に仕上がります。
鉄分も補給できる塩
何を以て「体によい塩」とするのかは判断が難しいところです。ほんのり薄いピンク色の塩は、海水中の鉄イオンと鉄釜の鉄イオンが熱によって反応して色づくもので、イオンの状態で鉄が塩に含まれています。鉄そのものが入っていても身体には吸収されませんが、イオンの状態で入っていることで、塩を摂取した際に、同時に身体に鉄も吸収することができます。不足しがちな鉄分も補給できるという点で、当初の目標に掲げた「体によい塩」を実現できていると言えるのではないでしょうか。
工場長
大城吉幸
たくさんの珊瑚礁に恵まれた屋我地島近海の海水を引き込み、400年の歴史をもつ伝統製法をベースに、すべて手作業で作っています。「この塩一つで味が決まる」ほどのコクと旨みで、プロの料理人も唸らせる自慢の塩です。
株式会社沖縄ベルクの商品
tabishio select ぎゅうにくのしお
青山志穂さんは、科学的根拠やテイスティングなどに基づいて塩を分析し、最適な使い方を研究するソルトコーディネーターです。こちらは、牛肉が含む鉄分に着目し、牛肉の味わいを引き出す4つの塩を厳選したセット。