確かな知識と試行錯誤を踏まえ、
五感を研ぎ澄まし塩と向き合う
塩づくりは安全な海水作りから始まります。海中を漂う異物を徹底的に取り除くために逆浸透膜を使用しています。濃縮した海水は薪の炎によってゆっくりと焚き上げられ、微量ミネラルを残しつつ雑味やざらつきの元になる成分を丁寧に取り除きながら煮詰めていきます。こうすることで、雑味がなくなり口溶けがとても良い塩に仕上がります。途中、何十回も味の確認を繰り返し、納得のいく塩に育った時点でゆっくりと塩を引き上げます。更に数週間空気に触れさせ「にがり」のバランスを整え、最後に人の手によってゆっくりと揉まれ塩の大きさを整えて仕上げています。私達の目指す「ふわシャク」の食感を表現できた時の喜びはひとしおです。
生まれ育った周防大島の
海の素晴らしさを再発見する
周防大島では、奈良時代から塩づくりが行われていました。なぜならここは、周防灘と伊予灘が交わり豊後水道からの黒潮と合流する場所で、ミネラル豊かな海水に恵まれているから。海水を汲み上げている立岩ヶ浜は、両サイドを磯に囲まれ小魚や貝類をはじめ海藻や藻が生息するエリアで、すぐ近くには日本一のアワサンゴ群を有するほど清らかで豊かな海域なのです。さらに、半閉鎖的水域で浅海域ということもあり、気象や河川流入の影響を受けやすく、背後に有する緑豊かな山々から流れ出す山水と海水との融合によって、ミネラルリッチな海水が生み出されるのだそう。代表の村上さんは「この地で製塩ができるのは私たちの喜びなんです」と言います。
多世代が交流する
ローカル・コミュニティとして
村上さんがこの地で塩作りを始めた目的は、この事業の収益を使って、地域の志しある若者達の一助になりたいという、青年育成の目的があったからだそうです。大きな収益化にはまだ至っていませんが、現在すでに塩づくりと並行して「龍神大学校」という市民大学の運営も行なっています。その一環で、塩作り体験授業など自然への理解を深める活動も実施。こうすることで、工房のある「龍神乃里」に様々な世代の人々が集まります。村上さんの目標は、ここで若者達と歳を重ねた方々が交流を重ね、互いに生きる喜びを感じ、生き生きと学び合える場所作りを実現すること。すでに始まった取り組みは、これからどんどん大きくなっていくことでしょう。
代表
村上雅昭
素材の味を引き立て、後味と余韻を楽しんでもらうため、世界一まろやなか塩味(えんみ)を目標に、豊かな海水を、自然の力と人の手の温もりで塩に育てています。一人でも多くの方に手に取っていただき、素材と龍神乃鹽の味を楽しんでいただければ幸いです。
合同会社龍神乃里の商品
tabishio select やさいのしお
データやテイスティングに基づいて塩を科学的に分析し、その最適な活用方法を研究しているソルトコーディネーターの青山志穂さん。塩をマスターした青山さんが、緑黄色野菜や淡色野菜に最適な塩をセレクトしました。