第4回 赤ちゃんや子供の水って意外と悩みませんか?

〜 第4回 〜
赤ちゃんや子供の水って意外と悩みませんか?

アクアソムリエマイスター 宝積有香

アクアソムリエマイスター 宝積有香
アクアソムリエマイスター・女優。2010年日本アクアソムリエ協会認定アクアソムリエマイスターの資格を取得。「内側から綺麗に」をコンセプトとして、普段の水分補給の方法、どんな水を選ぶと良いか等を簡単に分かりやすく発信。

こんにちは。アクアソムリエマイスターの宝積有香です。普段の水分摂取の方法、どんな水を選ぶと良いかなど、簡単に分かりやすく皆さんにお伝え出来ればと思っています。特別な事ではなく、ちょっとした意識を変える事で自然と水分摂取が出来る様になる事が理想です。このコラムを通して出来る限り皆様に分かりやすくお伝えしてお水選びのお手伝いが出来ればと思っています。
前回まではこちら

赤ちゃんや子供には「軟水」がおすすめ

赤ちゃんや子供には「軟水」がおすすめ

アクアソムリエになってから、周りのママさん達から「赤ちゃんや子供に飲ませる水はどんなものが適しているのか」をよく聞かれるようになりました。赤ちゃんや子供に飲ませてあげる水は、出来るだけ安全安心なものをあげたいと思ってしまうのが親心というもの。どうしても神経質になってしまいがちですよね。

赤ちゃんや子供におすすめの水は「軟水」です。硬度の高い水は、マグネシウムが含まれているのでお腹が緩くなりやすいので避けた方が安心です。市販のミネラルウォーターには、基本的に硬度が表示されているものが多いので購入する時にラベルをチェックし、出来るだけ軟水を選ぶようにすると良いと思います。私は、子供達に飲ませる水は出来るだけ家から持たせる様にしています。もちろん、外出先で足りなくなって水を買うこともありますが、そういう時はラベルをよく見て、年齢に応じてセレクトするようにしています。長男には、基本的には日本のミネラルウォーターで、私の好みの地域で選ぶことが多いですね。次男のミルクには、出来るだけ硬度の低いものを選ぶようにしています。

最近、赤ちゃんのミルク用にRO水(「RO膜」という超微細なフィルターでろ過した水)や純水などが売られていますが、これらの水は物を溶かし込む力が高いのでミルクや料理用には適していると思いますが、水のまま与える場合は、より自然に近い天然水をあげて欲しいなと思います。

また、赤ちゃんや子供には湯冷ましが良いという声も聞きますが、これは井戸水を使っていた時代に伝染病にかかることを防止するために行われていた習慣がそのまま語り継がれているだけなので、衛生管理が行き届いた現代では、その心配はなく常温の水をそのまま飲ませても大丈夫です。湯冷ましを作るのも一手間。それがなくなるだけでも気持ちが楽ですよね。

水の硬度とは

「硬度」とはどういうものかご存知でしょうか?ミネラルが多いと硬度が高い「硬水」、ミネラルが少ないと硬度が低い「軟水」という認識でしょうか。確かにミネラル成分の含有量によって硬度は変わってきます。ただ、水の中には様々なミネラルが溶け込んでいて、その中の「カルシウム」と「マグネシウム」の含有量で計算された数値を「硬度」と呼びます。硬度の計算式もあり、カルシウム量とマグネシウム量から硬度を算出することができます。

硬度=(カルシウム量mg/L×2.5)+(マグネシウム量mg/L×4.1)

水の硬度の基準値というものも定められていて、WHO(世界保健機構)による水の硬度の基準値は、軟水0〜60mg/L未満、中程度の硬水60〜120mg/L未満、硬水120〜180mg/L未満、非常な硬水180mg/L以上となっています。日本では、軟水0〜100mg/L、中硬水101〜300mg/L、硬水301mg/L以上という分類をされている場合もよく見かけますね。

水の硬度とは

赤ちゃんや子供にはどのくらいの量を飲ませるとよい?

赤ちゃんや子供の体内の水分量は70〜80%を占めていて、大人と比較して発汗量が多く、およそ2倍になると言われています。1日に必要な水分量は、体重1kgあたり乳幼児で約150mL、1歳児で約100〜120mL、3歳児で100mLが必要と言われています。赤ちゃんの場合は、母乳やミルクの量も必要な水分量に含まれるので、母乳やミルクをたくさん飲む子であれば他の水分を与える必要はないそうです。夏場や汗を多くかいた時などは、適宜水分を補ってあげると良いと思います。

赤ちゃんや子供にはどのくらいの量を飲ませるとよい?

我が家の場合ですが、0歳の頃は、ミルクの他にお風呂上がりに常温の水を飲ませるようにしていました。今は、入浴前と入浴後の2回ほど水を飲ませています。赤ちゃんは、自分で水分補給をすることが出来ないですし、子供は遊びに夢中になって水を飲むのを忘れてしまいがちなので、こまめに飲ませると良いですね。今4歳の長男は、体重15kgなので1日1500mlの水を飲むのが理想ですが、学校に行っている間はなかなか充分な水分補給ができず、いつもお腹を壊している感じでした。最近、やっと水分補給の大切さを分かってきてくれた様で、一緒にいる時は気にして飲むようになってきました。それでも、子供に水を飲ませるのは大変です。楽しみながら飲んでもらうことが大事なので、私は「水飲め星人登場〜!」と言いながら水を飲ませています。

赤ちゃんや子供にはどのくらいの量を飲ませるとよい?

いちばん重要なのは“水分補給をさせる”、“脱水させない”こと

「アクアソムリエとしては、飲ませる水はとことんこだわりたい気持ちはありますが、アクアソムリエだからこそ”水分補給をさせる”、”脱水させない”ことがいちばん重要だと思っています。健康で元気に育ってほしいと願うからこそ自分の子供に対して神経質になってしまいがちですが「このミネラルウォーターじゃなくちゃ飲ませない」ということはせず、「今日くらいまあいいか」と思える程度のこだわりがちょうど良いかなと日々過ごしています。

今回ご紹介する商品はコレ!

アクアソムリエ宝積さんイチオシ。赤ちゃんと子供におススメのミネラルウォーター2種をご紹介。

水の故郷(長野県)/東京アート株式会社

長野県の安曇野の水といえば「安曇野わさび田湧水群」が名水百選に登録され、大自然の恵みを感じる美味しい水が有名です。軟水なので赤ちゃんのミルクはもちろん、子供の飲料用のほかにも出汁や煮物などにも適していると思います。クセもなく柔らかく喉越しも軽やかで、素材をおいしく引き立ててくれます。

魚沼の水(新潟県)/株式会社ムラオ

新潟県の魚沼の水というだけあって、お米農家さん一押しのミネラルウォーターです。硬度16mg/Lの軟水なので赤ちゃんのミルクだけでなく、炊飯など幅広く利用出来ます。離乳食のお粥を作るときなども、この水で作ってあげると赤ちゃんが喜んで食べてくれそうですね。ミネラルが少ない分まろやかで口当たりも優しいです。