第5回 お茶やコーヒーにおすすめの水の選び方

〜 第5回 〜
お茶やコーヒーにおすすめの水の選び方

アクアソムリエマイスター 宝積有香

アクアソムリエマイスター 宝積有香
アクアソムリエマイスター・女優。2010年日本アクアソムリエ協会認定アクアソムリエマイスターの資格を取得。「内側から綺麗に」をコンセプトとして、普段の水分補給の方法、どんな水を選ぶと良いか等を簡単に分かりやすく発信。

こんにちは。アクアソムリエマイスターの宝積有香です。普段の水分摂取の方法、どんな水を選ぶと良いかなど、簡単に分かりやすく皆さんにお伝え出来ればと思っています。特別な事ではなく、ちょっとした意識を変える事で自然と水分摂取が出来る様になる事が理想です。このコラムを通して出来る限り皆様に分かりやすくお伝えしてお水選びのお手伝いが出来ればと思っています。
前回まではこちら

飲み物の種類によって相性の良い水が異なる

飲み物の種類によって相性の良い水が異なる

感染症の拡大を機に広まった「リモートワーク」ですが、「自宅で仕事をする」ことで、それまではお店で買っていたお茶やコーヒーを自分で入れるようになった、という方も増えているのではないでしょうか。自分で入れる機会が増えたことで「コーヒー豆」や「茶葉」、道具やうつわにこだわり始めた、という声も耳にするようになりました。今回は、「水」の観点からお茶やコーヒーと相性の良い水の選び方をご紹介したいと思います。

お茶やコーヒー、紅茶、中国茶など、その多くは「軟水」で入れればある程度おいしく飲めるものが多いのではないかと思いますが、飲み物の種類によっては、軟水を使用することで、本来の味や風味が損なわれるものもあります。例えば「烏龍茶」などの渋みの強いものは、軟水で入れると渋みが強調されてしまいますが、硬度の高い水で入れるとカルシウムの影響で味と香りがマイルドになります。「紅茶」も同様で、茶葉の種類によっては中硬水で入れた方がおいしくなる場合もあります。「コーヒー」は、焙煎方法や豆の特徴も影響しますが、軟水で入れると酸味が強くなり、苦みが出にくくなる傾向があります。お茶やコーヒーの成分は大半が「水」だからこそ、おいしく飲むためには、飲み物の種類に合う「水選び」が重要になります。

日本茶と相性の良い水とは

日本茶と相性の良い水とは

日本で「お茶」というと、やはり代表格は「日本茶」ではないでしょうか。日本の風土、文化に根付いて発展してきた「日本茶」には、抹茶、煎茶、ほうじ茶などさまざまな種類があり、お茶の種類にあわせてお湯の温度や量、茶葉の量、抽出時間など、おいしく飲むためのコツがあります。「水」を中心にお茶のうまみを存分に引き出すには、諸説ありますが、硬度30mg/L〜80mg/Lくらいの軟水が適していると言われています。軟水でお茶を入れるとお茶の成分がよく抽出されて、うまみ、苦み、渋みがバランスよく出ます。ただし、超軟水は向かないようで、10 mg/L以下の軟水を選ぶと苦味、渋味を強く感じるようになってしまうそうです。
硬水で入れた場合、お茶の成分が水に抽出されにくいため水の味が主張してお茶自体の味は淡白になり、色もあまり出なくなります。日本の水は圧倒的に軟水が多いので、硬水で入れるということはあまりないとは思いますが、海外で飲む場合やお土産でプレゼントする場合などには、お茶本来の味を楽しんでいただくために、「軟水がおすすめですよ」と一言教えてあげると親切ですよね。
市販のミネラルウォーターには、基本的に硬度が表示されているものが多いので購入する時にはラベルをチェックしてからお茶を入れるのをおすすめします。ラベルにはミネラル分に関する表記もされているものが多いので、マグネシウムやカルシウム量などもチェックするとより自分好みの味でお茶をいれることも出来るようになります。

日本茶の基礎知識については、NPO法人日本茶インストラクター協会専務理事の奥村静二さんによる解説も参考にしてみてくださいね。
知っているようで知らない、日本茶の基礎知識

コーヒーと相性の良い水とは

コーヒーと相性の良い水とは

「コーヒー」は、水に含まれるミネラルの種類、豆の特徴や焙煎方法、入れ方の組み合わせで相性の良い水が異なってきます。水に含まれるミネラルの種類でみると、カルシウムが多いとコーヒーの苦みが抑えられてまろやかになり、マグネシウムが多いと渋みや苦みがより強く出るようになるそうです。焙煎方法でみると、焙煎が深くなるにつれて酸味が弱く苦味が強くなるので、深煎りはカルシウムが多い水、浅煎りは軟水にすると良いと言われています。さらに入れ方でみると、アメリカンは硬度60~120mg/L以下、エスプレッソは硬度110~180mg/Lが良いそうです。組み合わせで味わいが変わってくるので、自分好みの味わいを見つける楽しみも増えますね。

より自然に近い水を選ぶなら「ナチュラルミネラルウォーター」

それぞれの飲み物に適した「水」を選ぶためには、軟水、硬水、ミネラルの含有量だけではなく、その水の採水方法や処理方法もポイントになってきます。私たちの日常生活では、一言で「ミネラルウォーター」と呼ぶことが多いと思いますが、実は、農林水産省の「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」で、採水方法や処理方法などによって4つに分類されています。「ナチュラルミネラルウォーター」「ナチュラルウォーター」「ミネラルウォーター」「ボトルドウォーター」と、似たような表記なのでちょっとわかりにくいですが、覚えておくと水を選ぶ際に便利です。日本のミネラルウォーターの規定とEUのミネラルウォーターの規定を比べると様々な差がありますが、日本の水に関して言えることは、加熱殺菌やろ過などの手を加えられたものが多く、安心安全に飲めるように考えられているものが多い印象です。アクアソムリエとしては、より自然に近いものを求めるのであれば、「ナチュラルミネラルウォーター」を選ぶことをおすすめします。

より自然に近い水を選ぶなら「ナチュラルミネラルウォーター」

お茶やコーヒーは、ホッと一息つきたい時にこそ飲みたいもの。せっかくいれるなら、至福の時間にしたいですよね。お茶やコーヒーの成分のほとんどは水なので、水選びはとても重要なポイントになります。私は、自宅のウォーターサーバーの水でサッと入れてしまうことが多いのですが、ゆとりが出来たらもっと水にこだわってコーヒーやお茶を飲みながらソファーでゆったりと本でも読みながら過ごしたいな、と妄想しています。これから冬にかけて自宅で過ごす時間も増えてくると思いますので、この機会にぜひ、自分好みの水でこだわりの一服はいかがでしょうか?

今回ご紹介する商品はコレ!

アクアソムリエ宝積さんイチオシ。お茶やコーヒーにおすすめのナチュラルミネラルウォーター2種をご紹介。

駿河の天然水(静岡県)/静岡ミツウロコフーズ株式会社

硬度57mg/Lの軟水のナチュラルミネラルウォーターです。お茶どころとして有名な静岡の天然水なのでお茶を入れるのにはとっても相性が良さそうです。クセがなく飲みやすいので普段の飲み水や赤ちゃんのミルクにも良いと思います。こちらのボトルは100%再生PETを使用していたり、プラスチック素材のキャップシュリンクも削減できるように考えられていたり、環境に配慮したボトルになっているのもおすすめポイントです。

富士山蒼天の水(山梨県)/株式会社 蒼天

硬度72mg/Lの軟水のナチュラルミネラルウォーターで、富士山のバナジウムが入っているのが特徴です。バナジウムは基本的には味がなく、お茶の味には影響せず、すっきりと優しい味わいです。普段の飲み水やお料理などにも幅広く活用できます。