第9回 ハンバーグとオムライスにぴったりなお米

〜 第9回 〜
ハンバーグとオムライスにぴったりなお米

株式会社山田屋本店 秋沢毬衣

株式会社山田屋本店 秋沢毬衣
五つ星お米マイスター、米・食味鑑定士。東京都調布市にある株式会社山田屋本店の6代目。全国の田んぼを訪問し、日本の精密かつ受け継がれゆく米作りや生産者の想いを国内外へ発信。お米の専門店「米屋彦太郎」を運営し、お米館調布本店・三越銀座店に出店している。

こんにちは。米屋の娘6代目の秋沢毬衣です。自分好みのお米を見つけるお手伝いをいたします。今回は、「ハンバーグとオムライスにぴったりなお米」です。「オムライス」用のお米は、おいしいチキンライスの作り方も併せてご紹介します!
前回まではこちら

ハンバーグには【しっかりとした歯ごたえ・もっちりとした食感のお米】

ハンバーグには、ジューシーな肉汁に負けないような、【しっかりとした歯ごたえ・もっちりとした食感のお米】が良く合います。例えば、「つや姫」「にこまる」「おぼろづき」などが適しています。

今回お届けするお米のうち、ハンバーグには「沖縄県石垣産のミルキーサマー」がおすすめです。日本一早い新米の産地、沖縄県石垣産のお米は、1月初旬に苗づくりが始まり、2月には田植え、5月末には収穫されます。一足早く、みずみずしく、豊かな新米の香りをお楽しみいただけます。
ハンバーグには、粒肌をしっかりとした食感に炊き上げたいので、気持ちお水を減らして炊き上げるのがおすすめです。

ハンバーグには【しっかりとした歯ごたえ・もっちりとした食感のお米】

オムライスには【粒肌が硬く・比較的粘りは控えめなお米】

オムライスは、チキンライスを作るので、ご飯を炒めても、べたつかないお米【粒肌が硬く・比較的粘りは控えめなお米】が良く合います。例えば、「青天の霹靂」「銀河のしずく」「さがびより」などが適しています。

今回お届けするお米のうち、オムライスには「福岡県北九州市産の元気つくし」がおすすめです。元気つくしは、粒肌が硬めで、ケチャップで味付けをしても崩れない粒感、具材と炒めてもべた付かないあっさりとした食感が特長のお米です。

オムライスには【粒肌が硬く・比較的粘りは控えめなお米】

米屋の娘がおすすめする、美味しいチキンライスの作り方

① 炊飯時に、お米とお水を通常の水分量で計量したら、30分の浸漬後、炊飯直前にバターを15g程度入れて炊き上げます。(お米2合の場合)
バターを加えることで、お米の粒肌に油分がコーティングされます。
② フライパンでチキンライスの具材を炒めたら、塩コショウで味付けをし、温かい状態のバターライスを加えます。
③ 具材とバターライスが混ざり合ったら、ケチャップを加え炒め合わせます。

炊飯時にバターライスにしておくだけで、粒感にハリがあって、程よくしっとりとした食感のチキンライスに仕上がります。是非、お試しくださいね。

お米マスターが選ぶ、ハンバーグとオムライスにぴったりのお米

〜 その1 〜
沖縄県石垣産 ミルキーサマー/有限会社山七(沖縄県石垣市)

ハンバーグの日は、水加減を通常の炊飯目盛り2mm下位にして炊いてみてください。ジューシーなハンバーグとお米のもっちり感の相性が抜群です。

「ミルキーサマー」は、亜熱帯海洋性気候に適するよう改良された沖縄県の奨励品種です。世界有数の珊瑚礁の海に囲まれた豊かな自然が生み出す、日本一早い新米は、豊かな新米の香りと、みずみずしさともっちり感が特長です。ミルキーサマーは、とても繊細で栽培も収穫後の米の乾燥調整も難しい品種で、非常に手間がかかります。生産者の山田さんは、他の県のお米に比べて、まだまだだという思いがありながらも、米屋の目利き力で自身の米づくりにおいて毎年様々なチャレンジを行っています。

米屋の目利き力で米作りにチャレンジ

那覇で米屋を営んでいた山田さんが、石垣島でお米を作ることになったきっかけは、東日本大震災。福島県産米を多く使用していた沖縄県の学校給食では、震災後、ライフラインなどが途絶えお米が届かないという状況に。それを見かねた県の農業指導員の方が、山田さんに「自分たちの食べるお米は自分たちで作りましょう」と声を掛けたのがはじまりです。沖縄県内でも、小さな山があり比較的栽培に適した石垣の地で田んぼ作りを始めました。

米屋の目利き力で米作づくりにチャレンジ。

日本一早い新米「ミルキーサマー」

石垣島では、暑い気候を生かし二期作を行っており、1月初旬に苗づくりが始まり、2月に田植え、5月末に日本一早い収穫を迎えます。「ミルキーサマー」は、亜熱帯海洋性気候に適するよう改良された沖縄県の奨励品種ですが、とても繊細な品種で、稲の倒伏や、いもち病(お米の病気)に注意しながら栽培しています。また、収穫後の米の乾燥調整でも水分の調整が難しく、胴割れ米の発生にも注意を要するデリケートな品種なので、お客様の手元に届くまで気を抜くことができません。

日本一早い新米「ミルキーサマー」
有限会社山七 代表 山田義哲

「日本一早い新米、食味は南国の素朴な美味しさ」が特長です。

有限会社山七 代表 山田義哲

〜 その2 〜
福岡県北九州市産 元気つくし/JA北九 稲作部会 元気つくし研究会 班長 野村武文(福岡県北九州市)

オムライスには、粒がしっかりとした「元気つくし」がおススメ。チキンライスにした時にも具材に負けない歯ごたえがあります。

福岡の暑い夏でもおいしく育つ「元気つくし」は、福岡県の農林業総合試験場が10年かけて開発した品種です。地球温暖化による高温障害に対応した品種として、父「つくし早生」、母「つくしろまん」を掛け合わせて生まれました。お米は、中粒でしっかりとした食感と程よい粘り。また、非常にお米の外観が良く、炊飯後も粒形が崩れにくくしっかりとしているという特長もあります。

「畑の貯水池」から流れ出る良質な水

北九州地域は全国的には工業地域として知られていますが、長崎街道の歴史をとどめ、北は関門海峡と周防灘、玄界灘、南には福地山系を臨み、遠賀川を代表する河川がもたらす豊かな自然に恵まれています。私が米作りをしている地区も、地域の貯水池である「畑の貯水池」から流れ出る良質な水のおかげで、食味の良いお米を栽培することができています。

「畑の貯水池」から流れ出る良質な水

毎日田んぼに出向き、稲の状況を確認

「苗半作(なえはんさく)」という、ことわざの通り、苗の出来によって作柄の半分が決まります。「元気つくし」の生育期間中は毎日田んぼに出向き、稲の状況を確認して、病気や害虫などの早期発見に努め、品質の良いお米作りに取り組んでいます。「元気つくし」は、背丈が高く、倒伏しやすいので過度の施肥や台風の時の水管理、いもち病などにも注意をしています。近年はトビイロウンカという害虫被害なども発生しているため、安全安心に配慮しながら適期防除に努めています。

毎日田んぼに出向き、稲の状況を確認
JA北九 稲作部会 元気つくし研究会 班長 野村武文

福岡の暑い夏でもおいしく育つ「元気つくし」わが子のように愛情をもって育てたお米をお楽しみください。

JA北九 稲作部会 元気つくし研究会 班長 野村武文

次回7月お届けのお米はこちら!

ハンバーグとオムライスにぴったりなお米
沖縄県石垣産 ミルキーサマー/福岡県北九州市産 元気つくし

お米マイスター 秋沢さん厳選!ハンバーグとオムライスにおススメのお米2種類のセットです。

縄県石垣産 ミルキーサマー/有限会社山七(沖縄県石垣市)

縄県石垣産 ミルキーサマー/有限会社山七(沖縄県石垣市)

ジューシーなハンバーグの組み合わせが最高

新米ミルキーサマーは、新米の香りと、みずみずしさともっちり感が特長です。おかずがハンバーグの日は、水加減を通常の炊飯目盛り2mm下位にして炊いてみてください。思わず、お米にバウンドして食べたくなる粒感と香りの良さ。ワクワクする味わいです。

福岡県北九州市産 元気つくし/JA北九 稲作部会 元気つくし研究会 班長 野村武文(福岡県北九州市)

福岡県北九州市産 元気つくし/JA北九 稲作部会 元気つくし研究会 班長 野村武文(福岡県北九州市)

チキンライスの具材に負けない食感がぴったり

元気つくしは、中粒でしっかりとした食感と程よい粘りに加え、炊飯後も粒形が崩れにくくしっかりとしています。具材と一緒に炒めトマトケチャップで味をつけても、べちゃっとせず、しっかりとした歯ごたえがあるので、チキンライスにおススメです。