第7回 国産原料と無添加にこだわる本場の味!「昔ながらの味 紀州金山寺味噌1.2kg樽」「紀州金山寺味噌3種のカップ詰め合わせ」

〜 第7回 〜
国産原料と無添加にこだわる本場の味!
「昔ながらの味 紀州金山寺味噌1.2kg樽」「紀州金山寺味噌3種のカップ詰め合わせ」

藤本智子

味噌伝道師MISODO 藤本智子
味噌、和食、健康、地域活性等をテーマに、行政や企業向けの講演会、学校や幼稚園等での食育活動を行う。株式会社ミソド代表取締役、一般社団法人みそまる普及委員会理事、みそソムリエ、味噌専門メディア「味噌プレス」編集長。

味噌伝道師MISODOによる各地域の味噌と味噌を使ったおすすめ料理の連載です。今回は、金山寺味噌についてお話させていただきます。
前回まではこちら

今回ご紹介する味噌は「金山寺味噌」

最古のおかず味噌「金山寺味噌」とは

ごはんのお供やお酒の肴にそのまま食べる「おかず味噌」の代表格である金山寺味噌。いわゆる「なめ味噌」の一種で、「径山寺味噌」とも書きます。つくり方は通常の味噌とは異なり、米・大豆・麦などの穀物原料を麹にし、うり、なす、生姜、しそなどの野菜を漬け込んで発酵・熟成させる栄養満点の味噌です。最も古くから食べられているおかず味噌で、現在は主に和歌山県、千葉県、静岡県などで生産されています。

金山寺味噌のはじまり

金山寺味噌の起源は諸説ありますが、鎌倉時代に和歌山県の興国寺へ伝わったという説が有力です。宋(現・中国)に渡った法燈国師が金山寺味噌の製法を学び、日本に持ち帰り伝えたとされています。法燈国師は、興国寺を建立した僧・覚心のこと。その後、交通の便も良く、水質が味噌や醤油の製造に適していた湯浅町やその他の地域で広まり、以来親しまれてきました。
また、鎌倉時代より前に、和歌山県・高野山真言宗の開祖である空海が遣唐使として入唐・勉学の折、唐の金山寺から持ち帰り、大勢の修行僧を養う「僧坊食」として用い、その後修行僧が各地に広めたという説もあります。

醤油のルーツは、金山寺味噌!?

私たちの生活になくてはならない醤油のルーツは、金山寺味噌だという説が有力です。当初つくられていた金山寺味噌は水分が多いものだったようで、樽底にたまった液汁を舐めてみると大変おいしかったことから調味料として使われるように。諸説ありますが、これが醤油の起源であるといわれています。

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味噌汁用ではなく、そのままおかずとして食べる金山寺味噌は、常備しておくと便利な一品。金山寺味噌の王道の食し方「ごはんのお供」と「野菜ディップ」をご紹介します。

ごはんのお供

ごはんのお供

炊き立てのほかほかごはんと金山寺味噌特有の旨味は相性抜群で、それだけで十分にごちそうです。なお、金山寺味噌の本場である和歌山県では、番茶やほうじ茶で炊いたお粥「茶粥」に金山寺味噌を添えていただくのがお決まりです。もちろん通常のおかゆにもおすすめです。

野菜ディップ

野菜ディップ

きゅうりなどお好きな野菜につけて食べれば、お酒のおつまみにもピッタリな一品に。麹のつぶつぶ感も食べ応えがあり、一般的な味噌に比べて低塩かつやさしい甘味があるので、ついつい手が伸びて野菜がぐんぐん進むこと間違いなし。旨味たっぷりで奥深い味わいは、さっぱりとした野菜に最適です。

今回ご紹介する商品はコレ!

国産原料と無添加にこだわる本場の味!
丸新本家「昔ながらの味 紀州金山寺味噌1.2kg樽」「紀州金山寺味噌3種のカップ詰め合わせ」

丸新本家は、日本の醤油発祥地・和歌山県湯浅町で明治14年に創業。「ええもん使って真面目につくる」をモットーに、金山寺味噌をはじめ醤油や味噌などを製造しています。

丸新本家の金山寺味噌誕生ストーリー

昔は各家庭で味噌を仕込むのが一般的でしたが、湯浅地域では、金山寺味噌も同じように各家庭でつくられていました。丸新本家の創業者である新古スミさんのお母さんは、“金山寺味噌づくりの名人”と近所で有名で、実家でつくっていた金山寺味噌の販売を始めたところ大変評判となりました。
昔ながらの伝統的な味わいを大切にしつつ、配合や製法にアレンジを加えるなど試行錯誤を重ねて今の味わいにたどり着きました。

国産原料、無添加にこだわった金山寺味噌

丸新本家の金山寺味噌は、米・麦・大豆の3種の麹を使用し、塩、砂糖、なす、うり、生姜などを漬け込み、1か月半程度発酵・熟成させてつくります。食欲をそそる澄んだ黄褐色に仕上がっているのは、質のいい麹を使っている証拠。使用する穀物や野菜、塩、砂糖などはすべて国産にこだわり、保存料や化学調味料などは使用していません。
また、金山寺味噌に欠かせないなすは、絶滅しそうになっていた伝統野菜「湯浅なす」を地元農家の協力を得て復活させ使用。他エリアに比べて具が大きいのが特徴で、3種の麹が織り成す芳醇な香りと、野菜の甘みや旨味が見事に調和した味わいを楽しめます。

“ええもん”つくって、人々の健康に貢献したい

5代目として会社を切り盛りする新古敏朗さんは、「体によい発酵食品だからこそ、たとえ原価が高くても自分が納得できる原料を使用し、かつ保存料など添加物を使用しないことに長年こだわっています。味噌はまだまだ解明されていない歴史や効能が多くあり、奥深い世界です。これからも “ええもん”をつくりながら追究を続け、味噌や醤油を通じて和食の素晴らしさを世界中に発信し、人々の健康に貢献したいです」と語ります。
創業以来愛されている伝統的な金山寺味噌に加え、野菜がゴロゴロとたっぷり入ったタイプや、新感覚のゆず、梅、オリーブ入りなども取り揃えてあり、金山寺味噌の楽しみがますます広がること請け合いです。

参考:『みそ文化誌』(発行/全国味噌工業協同組合連合会・中央味噌研究所、編集/みそ健康づくり委員会
取材協力:丸新本家