第1回 塩を使い分けると食が豊かになる!塩の基本を教えます

〜 第1回 〜
塩を使い分けると食が豊かになる!塩の基本を教えます

ソルトコーディネーター 青山志穂

ソルトコーディネーター 青山志穂
一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会代表理事。塩の知識啓蒙のため、塩のプロであるソルトコーディネーターの育成のほか、国内外を飛び回りながら塩の基礎知識や使い方に関する講座を実施。メディア出演、執筆売場のコーディネート、商品開発、シェフとのコラボなど活動は多岐にわたる。

はじめまして。塩の正しい知識や使い方、塩全般の魅力をお伝えする活動をしている、ソルトコーディネーターの青山志穂と申します。みなさんの生活がぐっと豊かにおいしく、そして健康的になる塩の使い方をお伝えしていこうと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

実は日本は塩の技術の先進国

一言で塩といっても塩にも種類があります。原料別に、おおまかに分けて5つに分類できます。このうち世界的に主流なのは岩塩で、世界の塩の生産量の約6割は岩塩が占めています。日本でもパキスタン産のピンク色をした岩塩が有名ですね。しかし日本には残念ながら岩塩層や塩湖が存在せず、塩の原料となる資源が海水とほんの少しの地下塩水しか存在しません。そのため、日本人にとって塩といえば海水塩のイメージが強いのですが、これは世界的にも珍しいことなのです。


 しかし塩資源に乏しい分、逆に日本では、「塩分濃度が3%しかない海水からいかに効率的に質の良い塩を作るか」ということに心血が注がれてきた歴史があり、いわば日本のものづくりの魂がこもっている分野でもあります。そのおかげで、日本は今では世界に誇れる製塩技術を持ち、その技術が輸出されたりもしています。
現在、日本全国で製塩を行っている場所は約600カ所にものぼり、純国産の塩だけでも1000種類以上の塩が生産されています。これほど多くの種類の塩が多彩な製法で作られているのは世界広しと言えども日本だけ。素材の味を大切にするシンプルな味付けが多い和食文化が食文化のベースであることも関係しているのでしょうが、日本は塩のおいてはちょっと特殊な国なのです。

主な塩の種類

日本の塩の主流は味わい多彩な「海水塩」

私たち日本は岩塩や湖塩がなく、その代わりに、この海水塩の特徴を最大限に活かした塩作りを行ってきたわけです。そして日本は海に囲まれた島国なので、全国各地で塩づくりが行われてきました。
よく「岩塩と海水塩でどう味が違うのか?」と質問されるのですが、これって非常に難しい質問なのです。なぜなら、塩の味はどんな原料を使ったかと、どうやって作ったかのかけ算で決まるから。でも、ちょっとした傾向はあります。それは、岩塩に比べて海水塩のほうが、「味わいが多彩」ということです。詳しくは追々解説するとして、ちょっとだけご説明しましょう。

海水塩

日本の塩はコレ!

 分解すると「母なる水」と書くことからもわかるように、海水には地球上の元素がすべて含まれています。製法にもよりますが、ナトリウム以外のミネラルも多く含んだ塩ができやすく、それがしょっぱさ以外の味として感じられます。しょっぱさの強い塩から非常にまろやかな塩まで作ることができます。そして製法によって形も様々に変化するので、溶けるスピードや食感なども変化に富んだものができます

岩塩

世界の主流

長い年月を経る間に、ミネラル別に結晶する層が分かれます。岩塩を採掘する時は主に塩の主成分であるナトリウムが結晶した部分を狙って採掘するので、ナトリウム構成比が高くなる(しょっぱさが強くなる)傾向があります。巨大な一塊の結晶を爆破して粉砕して掘り出すので、結晶の形は均一ではなく不均等になります。

今回ご紹介する商品はコレ!

理に合わせて塩をセレクトできる!基本の塩セット「tabishio select 日本塩めぐり」
¥1,512(税込)

塩の達人 青山さんが全国各地の塩の生産地を訪問してセレクトした初心者にも使いやすい基本の塩セットです。
1つの1つの塩の説明やおすすめの使い方が記載されたパンフレットも入っているので使いやすさ抜群です!

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白いダイヤ(新潟県)

白いダイヤ(ミネラル工房/新潟県)

浜辺の潮風を感じる魚介のための塩

相性の良い料理:魚介類全般、白身魚の塩煮や刺身、脂ののった赤身魚の塩焼き

日本の代表的な製塩方法である平釜炊き(鍋で煮詰める製法)で作られた海水塩です。新潟県の最北部、山形県との県境にある海沿いで、父の志を継ぎ塩職人となった富樫秀一さんが生み出す塩。 ダイヤのように輝く純白の粒は、豊かな日本海の海水を薪で焚き上げながらじっくり煮詰め、湯煎で温めた薄型平釜でゆるやかに結晶させたもの。製造の過程で一晩寝かせることで不純物を沈殿させ、その上澄み液だけを使っています。 ほどよいしょっぱさ、やわらかな甘味とうまみ、潮の香りが特徴で、魚介類との相性が抜群です。

奥能登揚浜塩(石川県)

奥能登揚浜塩(奥能登塩田村/石川県)

江戸時代からの伝統を受け継ぐうまみの塩

相性の良い料理:塩ミルクアイス、白身魚の塩焼き、塩おにぎり

かつてNHKの朝ドラの題材にもなった、日本の伝統的な揚浜式塩田製法で作られた海水塩です。桶を両肩に担いで海水を汲みに海に入り、それを塩田に手作業で撒く。待つこと半日~1日、塩が結晶してくっついた塩田の砂をやはり人力で集めて、そこに海水をかけて濃縮塩水を作ります。その塩水を釜まで運んで、炊いて煮詰めて塩にする。この間およそ1週間、途中で雨が降ったら一からやり直し。そんな厳しい条件下で作られた塩は、こってり濃厚なうまみを持つ、まさにうまみ塩です。

入浜式の塩(香川県)

入浜式の塩(一般財団法人宇多津町振興財団/香川県)

伝統技法で生まれるバランスの良い塩

相性の良い料理:乳製品を使用した料理、 鶏肉や少し脂ののった白身魚のソテー

明治時代、宇多津町では入浜式塩田による塩作りが盛んに行われていました。専売制度でいったんは途絶えたものの、1988年に、町興しの一環として、当時のシンボルでもあった入浜式塩田を復元。瀬戸内海の海水を使い、昔ながらの伝統的製法を再現した塩作りを行っています。 まろやかなしょっぱさで、乳を思わせるほのかな甘味と、長く続くしっかりした酸味があります。 鶏肉特有の脂の香りをさっぱりとさせるほか、乳製品を使った料理にも。

ぬちまーす顆粒(沖縄県)

ぬちまーす顆粒(株式会社ぬちまーす/沖縄県)

世界で愛される日本独自のパウダー塩

相性の良い料理:食材の下ごしらえ、白身魚の塩煮、パン・お菓子づくり

創始者の高安氏が蘭の花の栽培からヒントを得て生み出した、独自製法で作りだされるパウダー状の海水塩を使いやすいように顆粒状に成形しています。 製塩所はパワースポットとしても知られる、うるま市宮城島の崖の上に位置し、世界10か国で特許を取得した空中で一瞬にして海水を結晶化させる特許製法で、にがりを含んだまま結晶化させるため、多くの微量ミネラルを含む分、ナトリウム構成比が低め。 健康を気にする人に特に人気が高い塩です。

日本と世界の塩の図鑑

しっかり塩を勉強したい方は、こちらの本もおすすめです。

日本をはじめ世界各国の245種類の塩について、詳しい説明やおすすめの使い方が記載されている他、塩の豆知識や基礎知識を学ぶことができます。

日本と世界の塩の図鑑

¥1,650(税込)